古民家の土台入れ替え工事

鎌倉隠れ家

鎌倉隠れ家のリノベーション工事。

古民家再生において欠かせないのが土台の入れ替え。

大概の古民家は、土台と柱の下端が腐食している。
土台の入れ替え工事の難易度は高いが、古民家再生において必須となる技術。

 

柱の下端が腐食していたため、四角くくり抜き、ボンドを入れてからヒノキ古材を差し込む。

ボンドが乾いてからノミでホゾ形状に成型。

 

大工さんが刻んでくれた土台を柱下に据え置き成形した柱ホゾに入れ込み、ジャッキで土台を上げていく。

 

土台を上げ、柱のホゾを土台に入れ込んだらレベルを見ながら、土台と基礎の間にクサビを打ちこむ。もちろんジャッキも併用。

 

クサビを打ったらジャッキを外してからモルタル詰め。

さて、このモルタル。

無収縮モルタルと言われるもので、乾燥しても収縮しない。

通常のモルタルは乾燥すると若干収縮して、隙間に詰めると詰め厚にもよるが、1mm弱の隙間が出来る。

まあ、それでも良いのではあるが、今回は、無収縮モルタルで高精度に仕上げていく。

無収縮モルタルには「グラウド」と「パット」という二種類がある。

「グラウド」は、トロトロにして流し込むもので、「パッド」は粘土のようにして詰め込む。

 

今回は無収縮モルタルのパットを使用。

まずはこの隙間に詰め込む。

 

ギュウギュウに薄い木材等を使用して押し込み成形する。

 

柱下にも詰めこむ。

この場所は2寸程度の隙間がある。通常のモルタルではうまく詰められないが、この無収縮モルタルでは垂れも少なくきれいに詰まる。

優れものである。高いだけある。

と言っても「25kgで3000円程度」ではあるが。。。。

 

こちらも2寸の隙間。綺麗に詰め込みできた。ここまで厚盛でも綺麗に成型できるのは凄いこと!

 

さて、次なるジャッキアップ箇所へ移動。洋室も傾きがある。

 

出来る限り多くのジャッキを当て、荷重を分散させる。

 

ジャッキは出る限り多く掛けたほうが安全。

あまり一か所で強く押し上げると弾け飛ぶこともある。

実は、何度かジャッキが外れ、はじけ飛んだがその時の恐怖と言ったら。。。

 

ジャッキは出来るだけまっすぐに据え置く。据え置きはサボらず丁寧に行う。さもないと弾け飛ぶ。

 

ジャッキを徐々に上げて歪を取る。何日か掛けて徐々に上げ、歪を修正していく。

 

基準からの高さにテープを張り、テープ上端が揃うよう、ジャッキを当てていく。

そして、歪が取れた。

 

構造を見ていく。

洋室の角は土台と柱がダメ。

 

柱は出来る限り使える部分を残し、ダメな部分のみを切り取り、ヒノキ材を整形して当て込んだ。

 

次は、土台を腰掛鎌継ぎで収め行く予定。

まだまだ続く。

 

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