たかが雨樋(あまどい)、されど雨樋。
って考えがちですが、、、、
鎌倉で再生中の古民家、雨どいの劣化が激しく、やり直さなければならない。
こんな感じの丸い雨樋。ふにゃふにゃして、部分的に劣化も激しい。当初、
って思っていたが、問題が発生。
既存の雨樋は、敷地内の地面に垂れ流していた構造。
現在の敷地には、建物横の擁壁沿いに雨水溝があり、役所との折衝で雨水はそこに導いてほしいとのこと。
既存の縦樋全てを雨水側溝まで導くのは勾配の関係で無理。
ということで、何とかならないかと調べたところ、とある雨樋システムを発見!
それは、
上記は、パナソニックの高排水雨樋システム。
このシステムはサイフォン原理を利用。つまり、縦樋の中に空気が入らないようにすることで、縦樋内の水の重さを利用して排水力を引き上げるというシステム。
(パナソニック以外にも各社同様のシステム構成の雨樋があります。)
高排水雨樋システムを採用するメリットは、
つまりは、設計上、1か所の縦樋で何平米までOKとか、そんな基準があるのですが、高排水雨樋システムを利用すると、その基準を大幅に引き上げることができ、つまりは縦樋の本数を大幅に減らすことが出来る。
さらに、
という。
そして、さらに、なんと!
加えて、雨樋自体が丈夫できっちりと水を蓄えられるようになっている為、
雨樋は金属板を塩ビでサンドイッチした構造で水を受ける容量もかなり取れる断面形状
鎌倉の古民家も設計上は、既存は6か所以上ある縦樋を、最小で3か所の縦樋で行ける計算!最終的には取り合いを含めて4箇所の縦樋構成で絵を描いた。
さて、取り付け編
最初にブラケットを取り付けるのですが、今回導入したパナソニックのKAKUというシリーズに瞬水S15を組み合わせた。
雨樋の標準ブラケットが、高強度ポリカ製。正直、古民家には合わないが、雨樋裏に隠れてくれるので、それほど目立たない。
屋根勾配が、5.5寸で屋根面に直角に破風板が付いているので、5.5寸の角度が付いたブラケットを固定していく。
レベルを取るために、散水栓のホースの先端に透明のチューブを取り付けて水盛管として、ここに水を入れてレベルを取りながらブラケットを取り付けていく。
端のレベルを取ったら糸を張り、ブラケットを取り付けていく。
既存の丸い雨樋
そして、新しい高排水システムの雨樋
雨樋の色を瓦と同じ色にしたので、屋根の重厚感が出て、ゴージャスになったと思う。
既存の丸い雨樋。
新しい、高排水システムの雨樋
ビシッと筋が通った感じがする。
これが、高排水システムの縦樋。
高排水システムの縦樋は、40mmの四角形状。
通常の雨樋では40mmなんて小さなサイズの縦樋は使わないが、高排水システムの場合、空気の入り込みがないように、あえて小さい縦樋を使う。
落ち葉が詰りやすいリスクが考えられるが、縦樋のドレインには標準でゴミ除けガードが付属。
念のため、さらなる落ち葉対策として、雨樋全体にも落ち葉ガードを付ける予定。
なんだか、雨樋一つで、古民家がバージョンアップした感じ。
たかが雨樋(あまどい)、されど雨樋。
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