種々の建具で、一番大切にされないのが、フラッシュ戸。そこを敢えて再生する。

帝都戸建て

東京の帝都戸建て、通称「テイコ」の建具を自宅近くの作業場に持ち帰り、絶賛修復中。

建具にもいろいろな種類がある。

フラッシュ
ふすま
障子

 

フラッシュ

フラッシュというのは、骨組みにべニアを張り付けて建具にしたものを言う。表面が平らなのでフラッシュと言うらしい。

このフラッシュ戸、持ち帰ったものは昭和40年代のもので瀕死状態の2枚。

フラッシュ戸の表面はチープなべニア材なので、通常なら補修はせず交換。

しかし、ここは昭和テイストが大切!

あえてこのチープなべニア材のフラッシュ戸に息を吹き込み再生。

 

と、言っても途方に暮れる状態で、一枚は、完全にべニアが剥がれている。

ちょうど中が見えたので記念撮影。パシャリ!

さて、どうやって補修するか?

ボンドを載せてべニア板を戻し圧着することとした。

 

もう一枚のフラッシュ戸

こちらも、片側のべニアが完全にはがれている。同じくボンドを入れて圧着。

 

さて、よく見ると、フラッシュ戸の骨部分、至る所に切り欠きがあるのである。

これは、きっと真空圧着で成型したのだろう。

製造時の接着の際、厚手のビニールで覆い、内部を真空にする。すると、大気圧の力で均等に押さえつけられ、真っ平らな戸ができるのである。時々、当時の製造方法にまでも思いを巡らせたりもする。

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